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ネコ腸コロナウイルスとFIP(猫伝染性腹膜炎)とFIP抗体価検査について
以下の記述はインターネット上にあるサイトに掲載されていた情報です。本来リンクなどで、対応しなければならないのであるが、サイトが突然無くなる可能性もあり、リンクだけでは情報を失う可能性も考えられます。FIPの事を知ってもらいたいという、このサイトの考え方に基づき、情報を一部転載させて頂きました。





FIP(猫伝染性腹膜炎)とは

●FIPウイルスとはネコ腸コロナウイルス株の一種である
●それがストレスやほかのウイルス感染、その他の要因があわさって猫の腸内で突然変異を起こすと、発病する力の強いFIPウイルスに変化する
●その上ウイルスに対する激しいアレルギー反応(免疫系のバランスが崩れる)が起こって発病する
●ネコ腸コロナウイルスに感染する=FIPウイルスの感染ではない
●突然変異を起こすのは、猫の腸内においてだと考えられているので、猫同士の接触による感染ないという学説が主流である

FIP抗体価検査とは

●現在のFIP抗体価検査と呼ばれるものでは、ネコ腸コロナウイルスの価か、FIPウイルスの価かを識別することができない
●FIP抗体価検査を受けて、陽性であると診断されても=FIPの発病ではない
●FIP抗体価検査を受けて、抗体価が高かった場合でも、1ヶ月後の再検査で抗体価が下がれば一過性のネコ腸コロナウイルスに感染していただけだ、と考えることができる


ネコ腸コロナウイルス、FIP(猫伝染性腹膜炎)、そして、FIP抗体価検査について興味のある方は下記もお読みください。

■ネコ腸コロナウイルス
ネコ腸コロナウイルスの感染率は、キャッテリーや多頭飼いの家庭では80-90%以上にも達するといわれています。数種類の猫に感受性のあるネコ腸コロナウイルス株があり、その感染ウイルス株に応じて、様々な程度の消化器系疾患が起こります。

●ネコ腸コロナウイルスに感染すると
ネコ腸コロナウイルスに感染した場合、離乳したばかりの子猫では、微熱、嘔吐、下痢の症状が見られることがありますが、成猫のほとんどは症状が見られないか、軽い下痢を起こす程度が多いようです。 ネコ腸コロナウイルスは感染経路を通じて細胞皮膜にとどまって、細胞が破壊された場合にのみ症状が起きます。 このように、ネコ腸コロナウイルス自体は感染率の高いウイルスではありますが、それほど脅威ではないと考えられます。

■FIP(猫伝染性腹膜炎)

FIP(Feline Infectious Peritonitis) についての最初の正確な報告は、1960年代にアメリカで発表されました。この病気は1950年代初頭には存在していなかったのではないかと思われています。なぜFIPが突然出現したかは分かっていません。

●FIPウイルスとは、ネコ腸コロナウイルス株の突然変異の一種です。 ですから、ネコ腸コロナウイルスに感染したらFIPを発病する、というわけではありません。
感染した後のネコ腸コロナウイルスが非常に運悪くその猫の腸内で突然変異を起こしFIPウイルスに変化する→それに対して猫の体内で強いアレルギー反応が起こって発症する、と考えられています。
その上に、様々なストレス(妊娠や手術、キャッテリー飼育など)、またはFeLVウイルスなど他のウイルス感染症との合併症があると重い症状になるようです。
なぜ一部の猫だけが発病するのか、またこの病気の発症のしかたも猫それぞれによって様々です。
最近の報告には、猫の腸内で変化してFIPウイルスになるので、猫同士の接触による感染はないというものもありますが、感染経路についてはまだはっきりと解明されていません。
●FIPは主に飼い猫の病気ですが、そのほかではライオン、ヒョウ、チーターなどの猫科の動物にも発生します。
犬ネコ腸コロナウイルス、豚の伝染性胃腸炎、人ネコ腸コロナウイルス229eは実験上は猫には感染しますが、FIPウイルスは人には感染しません。
●年齢的には全年齢層に見られますが、生後6カ月頃から5歳位の猫に最も多く発生し、また14〜5歳にも同様なピークが見られます。性別による差はありません。
●FIPウイルス自体の感染力は弱く、一般的に使われている消毒薬(薄めた塩素系漂白剤など)で有効ですが、乾燥した環境では7週間以上の生存が確認されています。
●FIPを実験的に感染をさせた場合、ウエットタイプFIPでは2〜14日で発症し、ドライタイプFIPではそれよりも長い潜伏期間になります。—過性で不明瞭なウエットタイプFIPが数週間から数カ月に渡って続き、その後にドライタイプFIPへと進展することが多いようです。
●4〜10カ月齢の子猫がFIPを発症する前には、発育不良であるとか、健康状態があまり良くないといった長い病歴がよくみられます。軽度のネコ風邪(慢性呼吸器感染症)がFIP発症前に見られることもあります。もちろんネコ風邪はほかのウイルスによるものですが、発育不良および二次感染は、成長と免疫反応を制御する軽度の疾患が続いていることを示しています。
●FIPの臨床診断は、病歴、身体検査所見、実験室検査成績、ネコ腸コロナウイルス抗体価、および類似疾患の除外によって行われます。しかしこの診断からだけでは、FIPを確定診断するための証拠は得られません。とくにドライタイプでは腹水や胸水の貯留がなく、診断確定を付けにくいからです。
●ウエットタイプ、ドライタイプのFIPの猫、あるいは見かけ上健康な猫に本症があるかどうかを確定診断する唯一の方法は組織バイオプシーです。組織バイオプシーまたは剖検を行わない限り、FIPだというどのような診断も仮診断にすぎません。
●『FIP(猫伝染性腹膜炎)』という病名のとおり、腹膜炎を起こすものが一番多いですが、ほかの病気が起こることもあります。腹膜炎が起こると腹に水がたまり、腹部が膨らんでブヨブヨした感じになります。

■ウェットタイプ(滲出型FIP)
初期には、熱がでたり、食欲がなくなる、じっとして動かなくなることが多い、痩せていく、脱水症状、まぶた、鼻、歯茎、パット等に貧血状態が見られるなどの症状が見られます。 肝障害が強い場合は強い黄疸を起こしたり、嘔吐や下痢や便秘を繰り返すこともあります。 そのうち腹水がたまり始めます。通常は腹部を触診しても痛みを示しません。症状によっては腹部前下方に堅く小さな腫れ物を感じるときもあります。
ウェットタイプの猫の約25%に胸水がたまって、それに伴う呼吸困難が見られます。運動するとすぐに息が切れ、呼吸困難になり、心音および肺音が弱く感じられます。心嚢水が増量してくる場合もあります。

■ドライタイプ(非滲出型FIP)
特異的な症状が少ないために、FIPであるという診断が難しくなります。ウェットタイプよりもドライタイプの方がゆっくりと症状が進み、膿汁を含む播種性肉芽腫病変が様々な臓器に生ずるため、それに関連した兆候を伴うことが多いとされています。慢性的な体重減少、発熱、ぐったりするなどの症状が数週間続いた後、腎臓・肝臓障害、膵臓、中枢神経系、あるいは目に異常が認められることがあります。また様々な神経症状、例えば、運動能力が落ちたり、後ろ足がきかなくなったり、眼の玉がふるえたり、けいれんの発作を起こしたり、脳神経および末梢神経障害、知覚過敏、頭が前部に傾く、いつもと違う行動をとるようになる(猫の性格が変わった、と思う場合もあるようです)、粗相をする等の症状が見られるようになるかもしれません。

■治療
今現在では非常に残念ですが、完治させるための有効治療はなく、FIPであると診断された後は非常に難しいです。
症状を和らげる対症療法が主体となります。というのも、猫の体内のウイルス自体を殺す薬はないし、またどのようにして発病するのか不明な点が多すぎるからです。したがって病気の進行を遅らせ、猫の不快感をある程度改善する効果は期待できますが、完治のための治療ではないことを理解してください。治療に使える抗ウイルス薬の研究開発は進んでいますが、今現在では短期間の猶予を与える程度のものでしかありません。特に貧血と衰弱が進み、神経症状が出てくると最悪で、治療の望みはありません。

■FIPウイルス抗体価検査
ネコ腸コロナウイルスの自然感染では、猫の体内で抗体が作られます。
現在の抗体価検査ではこれによって作られたネコ腸コロナウイルスの抗体と、FIPウイルスの感染によって作られた抗体を血清学的に識別することはできません。

●FIP抗体価検査と呼ばれているものは
FIP診断を助けるために獣医師で行われている検査には、数種類の抗体アッセイ法が利用できます。 そのほとんどは酸素結合免疫吸着法(ELISA)と呼ばれる方法です。
●FIP抗体価検査はどの程度正確なのか
1度に1匹の猫から2回分の血液を採ってもらい、それを2週間おきに検査結果、同じ価の抗体価が当然戻ってくるはずでしたが、結果は1回目が200、2回目が400という違ったものでした。
現在のところ、ウェットタイプ、ドライタイプFIPのどちらの診断にも特異性はありません。血清中のネコ腸コロナウイルス抗体価を検出するだけで、特定のFIPウイルス株に対する特異血清抗体を検出しているのものではありません。
●では、FIP抗体価検査とはなにを意味するのか
ネコ腸コロナウイルス抗体価の「陽性」または「陰性」のいずれかのチェックでしかなく、健康または病気の猫が過去にネコ腸コロナウイルスのある株に感染したかどうかを示しているだけのものです。ネコ腸コロナウイルス抗体価だけによってFIPであると、確定診断をすることはできません。一般の猫では10-40%が血清ネコ腸コロナウイルス抗体を持っていて、複数飼育されている場合では、(その集団内に猫ネコ腸コロナウイルスが流行しているかどうかによるが)血清陽性率は完全に0%かあるいは80-90%であるとされています。
●抗体価検査を行うべきか、行わない方がよいか
FIP抗体価検査はネコ腸コロナウイルス感染の有無をスクリーニングするため、またFIP診断の「補助」としては利用ができます。病理組織学的にFIPと確定診断された猫の多くは、高いネコ腸コロナウイルス抗体価を示します。一般に、1:3200以上の抗体価はドライタイプに見られ、1:100-1:3200はウエットタイプまたはドライタイプおよび猫腸内ネコ腸コロナウイルス感染例で認められます。しかしFIP発病猫でも抗体価陰性のものがいるし、末期には抗体価が低くなることがあります。後者は予後不良の兆候です。ネコ腸コロナウイルス抗体価の陽性結果とほかの診断情報との相関性以外にも、検査期間による分析結果の不一致や、獣医師による分析結果の解釈の違いなどに注意する必要があります。
獣医師も飼い主も、ネコ腸コロナウイルス抗体価を過大評価すべきではありません。
●もしFIP抗体価検査値が高かった場合は
そのときにほかにFIPだと思われるような、ほかの症状がない場合は、約1ヶ月後に再検査すべきです。 その検査によって抗体価が下がっていれば、一時的なネコ腸コロナウイルス感染だと考えることができます。 もし1ヶ月後の検査でも抗体価が下がっていない場合は、さらにもう1ヶ月後に再検査を。
猫の全身状態がよい場合は、FIPに対して神経質にならない方が猫のためにも良いと思います。
検査結果によりFIPウイルス感染=FIP発症ではないことを十分理解してください。

血液検査の結果が悪くても、元気があって食欲もあるのなら普通の猫となんら変わりはないのです。仮にFIPウイルスを持っていても、発症しない猫は、FIPウイルス全感染猫の85%もいるということです。一日も早くこのウイルスに対して有効なワクチン及び治療法がみつかることを願ってやみません。
また多くの人に正しい知識をもってもらうことも必要なことだと思います。
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by morethanpa | 2007-01-15 08:42 | 病気・健康
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